解決事例

裁判基準満額で傷害慰謝料の支払いを受けることに成功した事例

執筆者
弁護士 鈴木啓太

弁護士法人デイライト法律事務所 パートナー弁護士

所属 / 福岡県弁護士会

保有資格 / 弁護士


※実際の事例を題材としておりますが、事件の特定ができないようにイニシャル及び内容を編集しております。
なお、あくまで参考例であり、事案によって解決内容は異なります。

ご相談者Hさん
(福岡県筑紫野市)


受傷部位頸椎捻挫、胸椎捻挫、腰椎捻挫、左肩関節打撲
等級該当なし
ご依頼後取得した金額
約35万円増額

内訳

損害項目 保険会社提示額 弁護士介入後
傷害慰謝料 65万円 約100万円(裁判基準)
結果 約35万円増額

 

状況

解説図Hさんは、交差点で赤信号のため停止していたところ、後続車が前方を見ていなかったためそのままHさんの車に追突してきました。

この事故で、Hさんは頸椎捻挫、胸椎捻挫、腰椎捻挫、左肩関節打撲のけがを負いました。

Hさんは事故後整形外科を受診し、物理療法を受けるとともに、ロキソニンを飲んで治療を続けていました。

7.5か月ほど通院し、完治したHさんは保険会社との交渉に入りました。

ところが、相手方保険会社の提示額は、総額が 120万円となっており、傷害慰謝料は 120万円から治療費と交通費を差し引いた金額にとどまっていました。

こうした相手方保険会社の提示に不満を感じたHさんは、弁護士費用特約を使用して弁護士に依頼しました。

 

弁護士の関わり

弁護士は、裁判基準(裁判をした場合の水準で最も高い賠償水準)で賠償金額を算定して相手保険会社に提示しました。

相手保険会社は、当然のように、「裁判でなく示談交渉なので、裁判基準の80%で」と回答していきました。

確かに、示談交渉の段階なので、一定の譲歩をすることも考えられます。

しかし、Hさんは示談を急いでいるわけではなく、納得のいく解決を望まれていました。

そこで、弁護士は、訴訟になった場合の賠償金額(遅延損害金、弁護士費用を加算)も相手保険会社に提示した上で、傷害慰謝料については、裁判基準未満の解決はできないことを伝え、粘り強く交渉を行いました。

そうしたところ、最終的には相手保険会社も裁判基準で解決することを認め、傷害慰謝料について約 35万円増額することができました。

 

補足

相手保険会社の120万円提示の理由

今回のケースでは、弁護士が入る前の段階では、Hさんは損害総額が 120万円との提示を受けていました。

この 120万円というのは傷害部分(治療費、慰謝料、休業損害、通院交通費など)の自賠責の限度額です。

相手保険会社は、被害者に賠償金を支払ったとしても自賠責基準の範囲内であれば、自賠責保険から被害者に支払った分を回収することができるのです。

したがって、被害者への賠償金が、自賠責基準で 120万円までの支払いにおさまれば、相手保険会社は実質的に賠償金の負担はありません。

本件では、こうした理由から、Hさんに対して 120万円の賠償が提示されていたのです。

遅延損害金と弁護士費用

訴訟になった場合には、遅延損害金と弁護士費用を追加で請求できます。

遅延損害金とは、支払いが遅滞していることに対する賠償であり、賠償認定額に対して年5%の割合で請求することができます。

交通事故は、不法行為であるので、事故が発生した時点から遅延損害金が発生します。

例えば、賠償認定額が 100万円で、事故発生から2年経っていた場合、

100万円 × 5% × 2年分 = 10万円 が遅延損害金となります。

弁護士費用は、賠償認定額の 10%が認定されます。

賠償認定額が 100万円の場合には、その10%なので 10万円ということになります。

このように、訴訟になった場合には、請求できる項目が増え、賠償金が増額できる可能性があります。

したがって、保険会社としても裁判を避けるために、本件のように示談交渉であっても裁判基準で解決をすることがあるのです。

交通事故被害者としては、安易に示談してしまうのではなく、賠償提示がされた場合には、専門の弁護士に相談することをお勧めします。

 

 

   
執筆者
弁護士 鈴木啓太

弁護士法人デイライト法律事務所 パートナー弁護士

所属 / 福岡県弁護士会

保有資格 / 弁護士

専門領域 / 個人分野:交通事故を中心とした人身障害事件 法人分野:労働問題  

実績紹介 / 交通事故の相談件数年間300件超え(2019年)を誇るデイライト法律事務所のパートナー弁護士。交通事故分野において、他士業や整骨院、一般市民向けのセミナー講師も務めた。


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