解決事例

ヘルニアの手術歴があったものの、後遺障害が認定された事例

執筆者
弁護士 鈴木啓太

弁護士法人デイライト法律事務所 パートナー弁護士

所属 / 福岡県弁護士会

保有資格 / 弁護士


※実際の事例を題材としておりますが、事件の特定ができないようにイニシャル及び内容を編集しております。
なお、あくまで参考例であり、事案によって解決内容は異なります。

ご相談者Wさん
(福岡県筑紫野市)


受傷部位外傷性頸部症候群(首)、腰部捻挫
等級併合14級(頭痛、頸部痛、左手シビレ14級9号、腰痛14級9号)
ご依頼後取得した金額
約300万円

内訳

損害項目 弁護士介入後
傷害慰謝料 106万円(通院8.5か月 裁判基準)
後遺障害慰謝料 110万円(裁判基準)
後遺障害逸失利益 約90万円(5年間、5%喪失 裁判基準)
結果 約300万円

  

状況

解説図福岡県筑紫野市にお住いのWさんは赤信号で交差点手前に停止していたところ、後続車に追突される交通事故にあいました。

この事故でWさんの車の後部はつぶれてしまい、修理費は 40万円を超えていました。

Wさんは事故後、頭痛がしたため救急車で救急病院に搬送され、首や腰のレントゲン、頭部のCT撮影を受けました。

そして、事故から間もなく左手と左足太もものシビレが出てきたため、整形外科で薬(ノイロトロピンなど)を処方してもらっていました。

Wさんは工場内で勤務しており、事故後数日は仕事をしましたが、頭痛やめまい、頸部痛などの症状がひどかったため、しばらく休業していました。

そうした中、今後のことが不安になったWさんは弁護士に相談することにしました。

 

弁護士の関わり

解説図Wさんが相談に来られた時点で、事故から4か月ほど経過しており、今後保険会社と休業損害の補償期間(いつまで休業する必要があるか)の話が出てきてもおかしくない状態だったため、相談後すぐに受任し、事故資料を取り寄せてWさんの通院状況を確認しました。

その上で、Wさんの症状経過を随時伺い、復職に向けて職場と適宜相談するようにアドバイスしました。

そうした経過を保険会社にも適宜知らせていたこともあり、今回のケースでは途中で休業補償を打ち切られることなく、事故後半年ほど経過した段階でWさんは仕事に復帰しました。

また、Wさんが休んでいた期間を対象としたボーナス(賞与)が大幅に減額されてしまったため、その部分の補償についても保険会社と交渉し、内払い(正式に示談する前に支払ってもらうこと)をしてもらいました。

そして、復職した時点でもWさんには頭痛や左手指先のシビレ、腰痛があったため後遺障害の申請を行いました。

Wさんは事故から7年前に腰についてヘルニアで手術をしていましたが、その後は今回の事故までに整形外科に通院していたことはなかったため、その旨を説明しました。

その結果、自賠責調査事務所は腰のヘルニアについては既往症として評価せず、14級9号の認定を出してくれました(頭痛やシビレの症状もあわせて併合14級)。

被害者請求の結果を踏まえて、保険会社と交渉を行いました。当初、保険会社は裁判外での解決なので、「慰謝料は8割で」と主張していましたが、この提示を断り、粘り強く交渉を続けました。

最終的には、こちらの提示を受け入れてくれ、Wさんは裁判をせずに約300万円の補償を受けることができました。

 

補足

既往症がある場合の後遺障害認定

本件では、Wさんには、腰にヘルニアの手術歴がありました。

こうした手術歴がある場合、事故前から、後遺障害に該当するレベルの障害が存在していた、つまり既往症があるとして交通事故による後遺障害の認定がされないことがあります。

今回、仮に、過去の腰のヘルニアが既往症として評価され、その障害の程度が14級相当と判断された場合、腰については、14級9号の認定を受けることはできませんでした。

そもそも腰については、14級相当の障害があったのだから、追加で14級9号の認定はしてもらえないのです。

したがって、過去に手術歴などがあるものの、事故当時には完治しているような場合は、既往症と判断されないように気を付けて後遺障害申請をしなければなりません。

本件では、Wさんは、事故当時は腰痛はなく、手術後も通院歴がなかったことから、既往症とは判断されず、腰痛についても14級9号の認定を受けることができました。

 

賞与減額による休業損害について

交通事故により仕事を休み、収入が減少した場合には、休業損害を請求することができます。

サラリーマンの場合、会社を欠勤したことで、ボーナスの支給額に影響することが多々あります。

ボーナスの減額も、事故によって減収したといえる範囲で休業損害となりますので、相手保険会社に請求することができます。

この場合、「賞与減額証明書」という書類を会社に作成してもらい相手保険会社に提示することで、減額された分を請求することができます。

保険会社は、被害者のボーナスの支給状況まで把握していいないことがほとんどなので、交通事故による欠勤によりボーナスが減った場合には、被害者から主張しないと賠償が漏れてしまう可能性が高いの気を付けなければなりません。

休業損害について詳しくはこちらをご覧ください。

 

   
執筆者
弁護士 鈴木啓太

弁護士法人デイライト法律事務所 パートナー弁護士

所属 / 福岡県弁護士会

保有資格 / 弁護士

専門領域 / 個人分野:交通事故を中心とした人身障害事件 法人分野:労働問題  

実績紹介 / 交通事故の相談件数年間300件超え(2019年)を誇るデイライト法律事務所のパートナー弁護士。交通事故分野において、他士業や整骨院、一般市民向けのセミナー講師も務めた。


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