解決事例

豆状骨骨挫傷による14級9号で喪失期間10年を獲得した事例


※実際の事例を題材としておりますが、事件の特定ができないようにイニシャル及び内容を編集しております。
なお、あくまで参考例であり、事案によって解決内容は異なります。

ご相談者Xさん
(福岡市城南区)


受傷部位左豆状骨骨挫傷
等級14級9号
ご依頼後取得した金額
約376万円

内訳

損害項目 弁護士介入後
傷害慰謝料 130万円
後遺障害慰謝料 110万円(裁判基準)
後遺障害逸失利益 約136万円(10年間、5%喪失)
結果 約376万円

状況

Xさんは、福岡市城南区の横断歩道を自転車にて進行中、右折してきた自動車に側面から衝突される交通事故にあいました。

Xさんは、事故後すぐに緊急搬送されレントゲンやCTを撮影したところ、頭部打撲と診断されました。

しかし、事故後から左手に強い痛みが生じており、握力も低下していたため、左手関節のMRIを施行した結果、左豆状骨骨挫傷と診断されました。

その後、Xさんは、1年2カ月ほど通院され医師から症状固定と判断されたため、後遺障害等級認定の申請をしました。

結果は、骨挫傷が消退していることや自覚症状を裏付ける客観的医学的所見に乏しいとの理由で非該当と判断されました。

しかし、左手の痛みは回復せず、非該当に納得できなかったXさんは、異議申し立てをされました。

異議申し立てにあたり、基幹病院にて後遺障害診断書を再度作成してもらい、それに加えて、左手の痛みやその痛みによる生活上の支障を詳細に記載した書面を添付して異議申し立てをされました。

その結果、14級9号の認定を獲得することができました。

この等級に基づき、自ら保険会社と交渉していましたが、自身で交渉することの限界を感じるとともに、保険会社の提示が妥当なものなのかを確認するために、弁護士に相談することにされました。

 

弁護士の関わり

弁護士において、Xさんが持参した保険会社からの「損害賠償金提示のご案内」を確認したところ、傷害慰謝料、後遺障害慰謝料、逸失利益の提示金額は裁判基準を下回る金額を提示されていました。

その中で、逸失利益の計算方法をみると、基礎収入がXさんの実際の年収額である約210万円が基礎とされており、労働能力喪失期間は5年間とされていました。

この計算方法について、弁護士は以下のような主張をしました。

弁護士が、Xさんから事情を聴いたところ、Xさんは、ご家族と同居されており、家族の中で主として家事をされているとのことでした。

そこで、弁護士は、Xさんの家事従事者としての部分も金銭的に評価されるべきであり、基礎収入については、女性全年齢平均の賃金センサスの年収額(約353万円)を基礎とすべきであることを主張しました。

労働能力喪失期間について、保険会社の5年間という提示は、14級9号の場合、裁判例においても喪失期間は5年程度と判断されることが多いことから、不当な期間とはいえないものでした。

しかし、弁護士は、事故後から約3年近く経っても痛みが引かず通院しているXさんの状況を踏まえ、今後も相当期間にわたり痛みは継続することを主張し、症状固定時の年齢から67歳までの期間である18年を喪失期間とすべきと主張しました。

これらの主張の結果、基礎収入は、賃金センサスによる金額(約353万円)を基礎とし、労働能力喪失期間は10年間とすることを保険会社に認めさせることができました。

また、傷害慰謝料、後遺傷害慰謝料についても裁判基準で再度計算した金額を主張し、後遺傷害慰謝料については、示談により裁判所基準での合意をすることができました。

最終的に、当初の保険会社の提示金額の2倍以上(約153万円⇒約376万円)の金額で合意することができました。

 

補足

兼業主婦について

パートタイマー等で働きながら主婦業もされている兼業主婦の方が交通事故被害者になった場合、休業損害や逸失利益の計算が少し特殊になります。

休業損害と逸失利益の算定にあたっては、基礎収入を確定する必要があります。

兼業主婦の方は、給与所得者としての側面と、主婦としての側面を併せ持っていますので、基礎収入をどのように確定するのか問題となるのです。

この点については、女性全年齢平均の賃金センサスの年収額382万6300円(平成30年)よりも給与所得が高いか低いかで決まります。

給与所得が、賃金センサスの年収額よりも低額である場合には、賃金センサスを前提に基礎収入を確定します。

逆に、給与所得(パート収入)の方が高額の場合は、給与所得の金額が基礎収入となります。

本件では、Xさんは、働きながら家族のために家事も行う兼業主婦でした。

当初、相手保険会社は、就労している部分のみに着目して、Xさんの年収額で逸失利益を計算しており、主婦としての側面は全く考慮されていませんでした。

本件のように、相手保険会社が主婦としての地位があることを考慮に入れず、賠償提示されることはよくあります。

被害者も就労している部分を評価してもらっているので、疑問を持つことなく示談してしまうことがあるのです。

こうした事態にならないためにも、相手保険会社から賠償の提示を受けたら、まず専門の弁護士に相談することをお勧めします。

14級9号の後遺障害逸失利益

14級9号は「局部に神経症状を残すもの」に該当する場合に認定される等級です。

交通事故によって、痛みや痺れなどの神経症状が残ったことについて、医学的に説明できる場合に認定されます。

もちろん個別の事案によって異なりますが、骨や筋肉に異常がなく、神経症状が残っている場合、その神経症状は時間の経過とともに軽快してくと考えられています。

したがって、後遺障害逸失利益の労働能力喪失期間は、5年程度に制限されることが多いです。

相手保険会社は、2年や3年程度で提示してくることもあります。

本件では、Xさんは事故から約3年経過しようとしていた時点においても、痛みにより通院を継続しており、あと数年経てば治癒するというような状況ではありませんでした。

こうした事情を相手保険会社に伝え、訴訟も視野に入れて交渉していたところ、最終的には、喪失期間を10年とすることで合意できたのです。

14級9号の事案で、喪失期間が5年よりも長くなることは、それほど多くありませんが、本事例は示談交渉で喪失期間10年の逸失利益を得ることができた成功事例といえます。

 

 



なぜ交通事故は弁護士に依頼すべきなのか?

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