裁判になったら示談とは違う賠償金がもらえるのですか?

執筆者:弁護士 鈴木啓太 (弁護士法人デイライト法律事務所 パートナー弁護士)

交通事故における裁判での賠償実務について、ご説明いたします。

裁判での賠償項目

相手方保険会社との示談交渉の場合、弁護士に依頼して示談が成立した場合でも、加害者から弁護士費用を補償してもらうことは通常ありません。

弁護士に依頼して対応するかどうかは、被害者の方のご意向次第ですので、その費用は加害者に負担させるのではなく、被害者の方が負担すべきというのが原則です。

弁護士費用特約に被害者の方が加入していれば、この費用を被害者自身の保険でまかなうことができることになります。

ところが、示談交渉ではなく、裁判に至った場合には、弁護士に依頼する必要性が高くなります。裁判は非常に専門性が高いものですので、訴訟のために弁護士を依頼するというのが一般的でもあります。

実は、交通事故の損害賠償の根拠である、不法行為という民法709条に定める責任は、補償すべき損害として、「弁護士費用」を裁判上認めているのが一般的です。

具体的な額としては、裁判で支払が認められる金額(治療費や交通費、休業損害、慰謝料などの損害額の合計からすでに支払われている費用を控除した額)の10%程度が通常です。

このように、示談交渉の場合と異なり、裁判を提起した場合には、弁護士費用という項目の補償が認められることがあります。

なお、和解などの場合には認められないというケースもありますし、支払義務がないという敗訴判決の場合には、弁護士費用の請求も認められません。

 

遅延損害金

弁護士費用と合わせて、裁判での解決の場合に認められる項目がもう一つあります。

これが遅延損害金というものです。

法律的には、加害者の損害賠償責任は交通事故が発生した時点で発生します。したがって、交通事故が発生してから実際に補償がなされるまでの間には、タイムラグが生じてしまうことになります。

このタイムラグを埋めるものとして、遅延損害金というものが認められています。イメージとしては、お金を借りる際に発生する利息と同じようなものと考えていただければよいと思います。

この遅延損害金は現行の民法では年5%となっています。

したがって、仮に100万円の損害賠償が裁判で認められるということになれば、裁判における平均審理期間である1年ほどの期間がかかった場合、5万円の遅延損害金の支払が認められるということになります。

ただし、弁護士費用の場合と同じく、和解の場合には認められないというケースもあったり、敗訴判決の場合には、支払額が0である以上、遅延損害金も0ということになります(元金が0なら利息も発生しないのと同じ考えです。)。

しかしながら、裁判を提起した場合には、こうした弁護士費用や遅延損害金が認められる可能性があることもきちんと把握した上で、被害者の方のベストな解決の方法を検討することが必要です。

 

 

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