よくある相談Q&A

未成年の子供が事故で人にケガをさせた場合、親にも責任がある?

執筆者
弁護士 鈴木啓太

弁護士法人デイライト法律事務所 パートナー弁護士

所属 / 福岡県弁護士会

保有資格 / 弁護士


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未成年の子供が事故を起こして被害者にケガを負わせた場合、親の監督責任や不法行為責任、運行供用者責任を追及されることがあります。

 

交通事故の責任を負う人

事故の責任は、原則事故を起こした加害者本人が負います(民法709条)。

しかし、加害者である未成年者に責任を弁識する能力(責任能力)がない場合、未成年者が起こした事故に加害者の両親は民法714条による監督義務者の責任を追及されることになります。

一方、未成年者である加害者に責任能力がある場合、両親は民法714条の責任が問われません。

とすると、被害者は未成年者である加害者だけに責任を追及することになりますが、賠償を期待できません。

このような場合は、加害者の両親に民法709条の不法行為責任を追及できる可能性があります。

責任能力が認められない場合

責任能力とは、自己の行為の是非を判断できるだけの知能のことをいいます。 責任能力の有無は、個人ごとに判断されます。

もっとも、一般的には、12歳に達すれば責任能力が備わると考えられています。

したがって、11歳未満が事故を起こした場合(主に自転車事故)は、責任能力が否定されることが多いです。

加害者の責任能力が否定された場合、加害者の親は、監督義務者として賠償責任を負います(民法714条1項本文)。

なお、親の免責事由として、「監督義務者がその義務を怠らなかったとき、又はその義務を怠らなくても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。」(民法714条1項ただし書)と定められていますが、実務上、この免責事由の立証は難しいです。

責任能力が認められる場合

加害者の責任能力が認められる場合には、親は民法709条の責任を負う可能性があります。

裁判例は、親の責任を肯定したものと否定したものがあります。

判例 親の民法709条の責任を肯定した例

  • 未成年者が無免許運転していたにもかかわらず、それに対して適切な指導監督をしなかったもの【青森地判H14.7.31、大阪地判H16.2.17等】
  • 免許を有する未成年者が過去に危険な運転をするなどしていたにもかかわらず、それに対して適切な指導監督をしなかったとするもの【東京地判H12.6.7、横浜地判H25.3.26等】

判例 親の民法709条の責任が否定された例

  • 親が、未成年者の無免許運転の事実を知らなかったことを理由として責任を否定するもの【名古屋地判H13.2.23、岐阜地判H25.7.19等】
  • 免許を有する未成年者が過去に危険運転していたものの、未成年者が19歳ですでに就職しており、当該事故の10日前に免許取得していたことから、親の監督義務違反は認められないとするもの【仙台地判S55.9.22】

 

運行供用者責任

六法全書自賠法3条は、「自己のために自動車を運行の用に供する者は、その運行によつて他人の生命又は身体を害したときは、これによつて生じた損害を賠償する責に任ずる」と定め、運行供用者責任を定めています。

未成年の子が関与した事故について、親はこの運行供用者責任を負う可能性があります。

運行供用者責任が認められれば、親は賠償義務を負います。

判例 親の運行供用者責任を認めた裁判例

  • 加害者の父親は、免許を持たず、その子の車に同乗することはなかったが、自動車の名義人となることを承諾し、自宅の庭に自動車を保管していたことから、父親の運行供用者責任を認めました。【最判S50.11.28】
  • 子が父親から借用した自動車を友人に又貸しし、その友人が事故を起こした事案で、父親の運行供用者責任を認めました。【最判S53.8.29】

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執筆者
弁護士 鈴木啓太

弁護士法人デイライト法律事務所 パートナー弁護士

所属 / 福岡県弁護士会

保有資格 / 弁護士

専門領域 / 個人分野:交通事故を中心とした人身障害事件 法人分野:労働問題  

実績紹介 / 交通事故の相談件数年間300件超え(2019年)を誇るデイライト法律事務所のパートナー弁護士。交通事故分野において、他士業や整骨院、一般市民向けのセミナー講師も務めた。



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