交通事故の後遺症での社会保険の給付はどのようなものがありますか?
厚生年金の加入者が病気や怪我による障害状態になったとき、国民年金の保険料納付期間が一定期間をみたせば、障害基礎年金に上乗せして障害厚生年金が支給されます。
※相手方から損害賠償金を受け取った場合には、受給できない場合があります。
障害厚生年金とは
厚生年金に加入している被保険者が、病気や怪我で障害等級表(1級・2級)による障害状態になったとき支給される年金です。
支給要件
障害厚生年金の支給要件は以下の通りです(厚生年金保険法47条)。
1.厚生年金に加入している間に初めて医師の診療を受けた日(初診日)があること
2.一定の障害の状態にあること(1級・2級・3級)
3.保険料納付要件
初診日の前日において、下記のいずれかの要件を満たしていることが必要です。
(1)初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間について、保険料が納付または免除されていること
(2)初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと
障害の等級
障害等級は以下の通りです。
1級
1.両上肢の機能に著しい障害を有するもの
2.両下肢の機能に著しい障害を有するもの
3.両眼の矯正視力の和が0.04以下のもの
4.その他
2級
1.1上肢の機能に著しい障害を有するもの
2.1下肢の機能に著しい障害を有するもの
3.両眼の矯正視力の和が0.05以上0.08以下のもの
4.その他
3級
1.両眼の矯正視力が0.1以下のもの
2.その他
障害認定
国民年金の障害基礎年金と同じで、初診日から、1年6か月経過 (その間に治癒した場合は治癒時)に障害の状態にあるか、または65歳に達するまでの間に障害の状態となったとき(国民年金法30条)。
(例)初診日から、1年6か月以内に、下の1~7に該当する日があるときは、その日が「障害認定日」となります。
1.人工透析を初めて受けた日から起算して3か月を経過した日
2.人工骨頭又は人工関節をそう入置換した日
3.心臓ペースメーカー、植え込み型除細動器(ICD)又は人工弁を装着した日
4.人工肛門の造設、尿路変更術を施術した日から起算して6か月を経過した日
5.新膀胱を造設した日
6.切断又は離断による肢体の障害は、切断又は離断した日
(障害手当金又は旧法の場合は、創面が治癒した日)
7.喉頭全摘出した日
8.在宅酸素療法を開始した日
年金額(平成28年4月時点)
年金額は以下の通りです(厚生年金保険法50条、50条の2)。
1級
報酬比例の年金額× 1.25+配偶者の加給年金額22万4,500円
2級
報酬比例の年金額+配偶者の加給年金額22万4,500円
3級
報酬比例の年金額 ※最低保障額 58万5,100円
報酬比例部分
報酬比例部分は、下記①式によって算出した額になります。
ただし、②式によって算出された額より下回る場合は、②式によって算出した額が報酬比例部分になります。
※平均標準報酬月額
平成15年3月までの被保険者期間の計算の基礎となる各月の標準報酬月額の総額を、平成15年3月までの被保険者期間の月数で除して得た額。
※平均標準報酬額
平成15年4月以後の被保険者期間の計算の基礎となる各月の標準報酬月額と標準賞与額の総額を、平成15年4月以後の被保険者期間の月数で除して得た額(送料含めた平均月収)。