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交通事故で怪我。保険金の支払は自賠責保険?任意保険?


掲載日:2017年5月22日|最終更新日:2020年1月8日

自動車を所有し運行させるうえで加入する保険については、大きく分けて2つあります。

1つは、自賠責保険・共済で、もう1つは、任意保険です。

今回は、任意保険の中でも、対人賠償責任保険について解説していきます。

対人賠償責任保険とは

対人賠償責任保険とは、被保険自動車の所有・使用・管理に起因して、他人の生命・身体に損害を与え、被保険者が法律上の損害賠償責任を負担することによって被る損害を填補する保険です。

対人賠償保険、単に対人保険とも言われています。

対人賠償責任保険は、保険契約者が自由に契約内容を選択し加入する任意自動車保険に組み込まれている補償です。

自賠責保険・共済は自動車などで一般道路を走行する場合、必ず加入しないといけない強制保険です。

 

 

自賠責保険との関係

説明する男性のイラスト

まず、自賠責保険とは、自動車による人身事故の被害者を救済するため、被保険者が被害者に自賠法3条の損害賠償責任を負担することによって被る損害につき、一定額を限度として填補する保険のことです。

自賠責保険には、支払限度額があり、傷害に関する上限は 120万円、死亡に関する上限は 3000万円です。

そうすると、損害賠償請求権が、傷害の 120万円や死亡の 3000万円を超える場合は、任意保険である対人賠償責任保険で填補することになります。

本来、自動車事故での生命・身体の損害については、最初に自賠責保険・共済から支払いがあり、上記の限度額を超えた部分について対人賠償責任保険で支払われることになっています。

もっとも、現在では、任意保険会社が自賠責で支払われる損害額を一括対応することが多く、任意保険会社から先に支払いを受けることが多いです。

 

対人賠償責任保険が支払われるとき

対人賠償責任保険は、被保険自動車の所有・使用・管理に起因して、他人の生命・身体に損害を与え、被保険者が負う法律上の損害賠償責任をカバーする保険です。

このうち、「所有」や「使用」に関しては、文字通りの意義だと考えられています。

「管理」については、自動車の維持、修繕、保管を意味します。

一方、自賠責保険・共済は自賠法3条「自己のために自動車を運行の用に供する者は、その運行によって他人の生命又は身体を害したとき」その損害を賠償する保険です。

自動車保険のイメージ画像対人賠償責任保険の「被保険自動車の所有・使用・管理」の方が、自賠責の「運行によって」よりも広く補償しています。

したがって、自賠責保険では保険金が支払われない事故でも対人賠償責任保険から保険金の支払いがあることがあります。

例えば、エンジンを切った状態で車庫に入れていた車から、自己の整備不良が原因で発火し、隣家に燃え移って他人を傷害させたというケースでは、自賠法3条の「運行」にあたるとはいえないため、自賠責保険では填補されません。

しかし、このような場合でも、対人賠償責任保険の「所有」や「管理」に該当するため、任意保険による填補がなされる可能性があります。

 

 

対人賠償責任保険の免責事由

任意自動車保険の契約者や被保険者が交通事故によって法律上の賠償責任を負うとき、保険者である任意保険会社が保険金の支払いを免れることになる事実を免責事由といいます。

事故原因による免責事由

対人賠償責任保険における事故原因による免責事由として、わざとつまり故意に起こした事故が支払いの対象外となります。

自賠責保険・共済と共通する免責事項です。

未必の故意(例えば、車を発進すれば車体を被害者に衝突させて傷害を負わせる可能性が高いことを認識しながら、それもやむ得ないと考えて発進させ、傷害を負わせたような場合)で事故を起こした場合は、故意免責を認めた裁判例が存在します(最高裁平成4年12月18日判タ808号165頁)。

もっとも、未必の故意の場合、事案によっては故意免責を認めない裁判例も存在するため、争いが多い分野です。

また戦争や騒乱、暴動、地震、噴火、津波、台風、洪水、高波等の自然災害、核燃料の事故、放射能の汚染による事故、自動車を使用した曲芸やレースなどの事故による損害も対人賠償責任保険の支払いの対象外です。

 

その他免責事由

対人賠償責任保険では、①記名被保険者本人あるいは ②被保険自動車を運転中の者又はその父母、配偶者若しくは子、③被保険者の父母、配偶者又は子は、支払いの対象外となっています。

言い換えると、運転者及び運転者の家族は、対人賠償責任保険の免責事由に該当します。

また、被保険者の業務に従事中の使用人や、職場の同僚に与えた損害も対象外となります。

仕事中の同僚間の事故などは、対人賠償責任保険ではなく、労災で対処することになります。

 

 

示談代行サービス

保険会社の対応のイメージ画像示談代行サービスとは、任意自動車保険会社の担当者が交通事故の当事者に代わって相手方と示談交渉をするサービスです。

自賠責保険・共済には示談代行サービスはありません。

しかし、加入する任意自動車保険によって、この示談代行サービスがついていない場合があります。

また、示談代行サービスがついている任意自動車保険であっても、以下の場合示談代行サービスは行われません。

 被保険者が法律上の責任を負わない事故
 被保険者が事故の責任を認めていない場合
 損害額が自賠責保険・共済の補償額でおさまる場合
 損害額が対人賠償保険の補償額を超過する場合

 

交通事故の損害賠償でお困りの際は、弊所の弁護士にご相談ください。

交通事故に精通した弁護士が対応させていただきます。

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