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搭乗者傷害保険とは?


掲載日:2017年5月29日|最終更新日:2020年3月3日

搭乗者傷害保険とは

助手席のイメージ画像搭乗者傷害保険とは、任意自動車保険の保険対象である被保険自動車に搭乗中の人が事故で死傷したときに、治療日数や部位・症状別ごとにあらかじめ定められた保険金額に基づいて支払われる保険です。

搭乗者傷害保険の特徴としては、上記の通り、あらかじめ定められた保険金額に基づいて支払われるという定額払いの補償という点です。

 

 

搭乗者傷害保険の被保険者

助手席のイメージイラスト搭乗者傷害保険の保険対象となる被保険者は、「被保険自動車の正規の乗車用構造装置のある場所に搭乗中の者」です。

 

正規の乗車用構造装置のある場所

正規の乗車用構造装置のある場所とは、具体的には運転席や助手席、車室内の座席をいいます。

また、バスのつり革に掴まって立っている場合も、正規の乗車用構造装置のある場所となります。

この室内とは座席のある室内のことです。「隔壁等により通行できない場所」は除きます。

搭乗中とは

搭乗中とは、手や足、腰をドアや床、ステップ、座席にかけた時から降車のために車外に両足を付けるときまでの間をいいます。

判例 搭乗中の事故についての裁判例

被害者の方が、普通乗用自動車の助手席の窓から上半身を車外に出し、頭部を自動車の天井より高い位置まで上げ、左手で振り上げる動作をしていた時に、運転者が誤って電柱に衝突させ、被害者が死亡した事案

最高裁判所は、本件の被害者が「極めて異常かつ危険な態様で搭乗していた」と評価したうえで、乗車用構造装置の本来の用法によって搭乗中の者ということはできず、「正規の乗車用構造装置のある場所に搭乗中」の者には該当しないとして、被害者に搭乗者傷害保険の保険金は支払われないという判断をしました。

【最判H1.3.9】


被害者の方が、貸客兼用自動車(ステーションワゴン車)の後部座席の背もたれ部分を前方に倒して(車両後部荷台部分と同一平面の状態)、荷物が積まれた状態で、その荷物の脇に横たわって乗車していて、大型貨物車に追突され、死亡した事案

最高裁判所は、本件の後部座席はもはや座席が本来備えるべき機能、構造を喪失していたものと評価したうえで、「正規の乗車用構造装置のある場所」に当たらないとしました。

【最判H7.5.30】

被保険者の範囲

被保険者とその家族だけでなく、搭乗中の全員が補償の対象となります。

 

 

搭乗者傷害保険の保険金

保険のイメージ画像搭乗者傷害保険の保険金は定額方式で支給されます。

保険金の種類は、死亡保険金、後遺障害保険金、重度後遺障害特別保険金および介護費用保険金、医療保険金(傷害保険金)などがあります。

死亡保険金、後遺障害保険金は、任意自動車保険契約時に保険金額を選択します。

重度後遺障害特別保険金および介護費用保険金は、支払い金額に限度額があります。

医療保険金は、治療日数(例えば、通院1日につき4,000円。入院1日つき6,000円)や怪我をした部位症状別(例えば、腕の骨折35万円など)に定額方式での補償額給付を、任意自動車保険契約時に選択します。

搭乗者傷害保険は、人身傷害補償保険が付保されていたとしても、それとは別に保険金が支払われます。

搭乗者傷害保険は、賠償金ではなく傷害保険契約の対価ですから、損益相殺の対象になりません。

 

 

免責事由

免責事由とは、保険者である任意保険会社が保険金の支払いを免れることになる事実をいいます。

搭乗者傷害保険の免責事由には、被保険者や保険金を受け取る人が以下の場合は免責となります。

 わざと事故を起こした場合
 けんかや自殺による事故を起こした場合
 飲酒や薬物の影響の下で事故を起こした場合
 又貸しや盗難車など正当な権利を有する者の承諾を得ないでの搭乗中の事故
 熱中症、自動車車事故で受傷後破傷風などの感染症が発症した場合

説明する男性のイラストまた戦争や騒乱、暴動、地震、噴火、津波、台風、洪水、高波等の自然災害、核燃料の事故、放射能の汚染による事故、自動車を使用した曲芸やレースなどの事故による損害支払いの対象外です。

さらに「極めて異常かつ危険な方法で搭乗中の者」は搭乗者傷害保険の対象外となります。

例えば、車のトランクや屋根、トラックの荷台、箱乗りなどの姿勢で搭乗中の人が怪我をした場合です。

 

搭乗者傷害保険と人身傷害保険の異同

共通点

搭乗者傷害保険も人身傷害保険も、被保険者が死亡した場合や、傷害・後遺障害を負った場合に、事故形態や相手の有無・過失割合に関係なく、約款で定められた内容で保険金が支払われます。

相違点

搭乗者傷害保険は、上記の通り、定額払いの補償です。任意自動車保険契約時に定めた保険金が支払われることになります。

これに対して、人身傷害補償保険は実損払いの補償です。加害者からの賠償額と合計して損害が埋まるように支払われます。

書類

自動車保険は、適用要件が複雑なことも多いです。

搭乗者傷害保険を含む自動車保険でお困りの方は、ぜひ一度弁護士に相談されることをお勧めします。

デイライト法律事務所では、交通事故に精通した弁護士が対応いたします。

 

 

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