構内専用車と事故。賠償請求の方法は?

執筆者:弁護士 鈴木啓太 (弁護士法人デイライト法律事務所 パートナー弁護士)

弁護士の回答

構内専用車が任意保険に加入していれば、被害者は任意保険に対して、賠償請求することができます。

ただし、構内専用車は、自賠責保険・共済への加入義務がないため、任意保険に加入していない場合には、加害者本人あるいは、加害者の勤める会社に対して直接請求しなければならない可能性もあります。

なお、仕事中の事故であれば、労災の給付を受けることができます。

 

構内専用車は、自賠責保険に加入の義務がない

自賠法5条には、一般道路を走る車両は必ず自賠責保険・共済に加入することが定められています。

しかし、以下の車両は、自賠責保険の加入が義務つけられていません(自賠法10条)。

 

このような車両を適用除外車といいます。

構内専用車も適用除外車とされており、自賠責保険に加入する義務がないのです。

構内作業車が、適用除外車とされているのは、限定された場所のみで使用されていること、不特定の者が被害者になることが少ないこと、労災保険での救済措置があるからと考えられています。

 

 

構内専用車との事故の損害は誰に請求すればいいか

構内専用車による人身事故の被害者の損害の回復の方法としては、以下4つの方法が考えられます。

任意保険会社に賠償してもらう
構内専用車が、任意保険に加入している場合には、その任意保険会社に対して、賠償を求めることができます。
事案によりますが、被害者にとっては、任意保険会社に賠償してもらう方法が最もスムーズに損害を回復できますので、まず、加害者側に任意保険に加入しているか確認されるべきでしょう。
労災保険の利用
構内専用車との事故では、業務中の事故であることが多いと思います。
業務中の事故であれば、労災保険が利用できるため、治療費や休業損害などを労災保険で補填することができます。
もっとも、労災保険では、慰謝料は補償してもらえません。
加害者本人に請求
事故を起こした加害者本人は、被害者に対して損害賠償責任(民法709条)を負います。
したがって、被害者は、事故によって生じた損害を加害者本人に請求することができます。
もっとも、加害者本人にお金がない場合には、十分な補償を受けることができない可能性があります。
加害者の務める会社に請求
加害者が勤めている会社に請求することができます。
会社は、従業員を使用することで、より多くの利益を得ています。
したがって、使用している従業員が第三者に損害を与えた場合には、その損害について賠償すべき義務を負うのです(民法715条)。

被害者の損害の回復の方法としては、以上のような方法が考えられます。

もっとも、いずれか1つの方法を選択するというわけではありません。

例えば、労災保険を利用して、治療費を休業損害の支払いを受け、が終わった後に、加害者本人と加害者の会社に慰謝料などの損害をまとめて請求するという方法があります。

なお、適用除外車であったとしても、自賠責保険に加入できないわけではありません。

したがって、加害者側が任意保険に加入していない場合には、自賠責保険には加入していないのか確認されたほうがよいでしょう。

自賠責保険に加入している場合には、自賠責保険に対して賠償を請求することができます(但し、自賠責保険には限度額があります)。

 

 

構内専用車との事故で賠償請求できる内容

構内専用車との事故の場合も、基本的に通常の交通事故のケースと同じように賠償請求することができます。

主な請求項目としては、治療費、休業損害、通院交通費、傷害慰謝料、後遺障害慰謝料、後遺障害逸失利益などがあります。

また、被害者が亡くなった場合には、葬儀費用、死亡慰謝料、死亡逸失利益を請求することになります。

具体的な賠償項目について詳しくはこちらをご覧ください。

 

 

構内専用車以外の適用除外車への賠償請求方法

自衛隊車両との人身事故は、自賠法3条または国賠法3条により国が損害賠償責任を負います。

アメリカ軍車両との人身事故は、アメリカ軍の公務中の場合は防衛省に申し出ます。

アメリカ軍車両が公務中以外だった場合は、加害者である運転手との示談交渉になります。

外国の大使館や領事館、外交機関、国連機関の車両の場合は、ほぼすべての車両に任意自動車保険が付保されているので示談交渉で解決することになるでしょう。

 

 

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