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好意同乗とはなんですか?【弁護士が解説】


掲載日:2019年10月16日|最終更新日:2019年10月16日

好意同乗とは、好意で他者を無償で自動車に乗せることです。

好意同乗で事故が発生し、同乗者が負傷した場合に、運転手の責任を軽減して、被害者の損害額を減額すべきであるという主張が保険会社からされることがあります。

 

 

好意同乗の問題点

好意同乗で、事故が発生したとしても基本的には、その運転手の運転操作の誤り、あるいは第三者の運転操作の誤りで事故が発生しているのですから、同乗している人にはなんら落ち度はありません。

他方で、無償で同乗させてもらっているのだから、万一、事故が発生しケガをして損害が発生したとしても、運転手の責任は少し軽減してあげなければならないのではないか、という考え方もできます。

こうした問題意識から好意同乗の場合の賠償の範囲について議論となっているのです。

 

 

裁判実務での取り扱い

実際の賠償実務ではどうなっているのかといいますと、原則、好意同乗であったとしても、同乗者の損害額が減額しないという取り扱いになっています。

もっとも、例外はあります。

裁判例では、同乗者自身において事故が発生する危険性を増大させたような場合、あるいは、事故が発生する危険性があることを承知の上で同乗していたような場合など、事故が発生したことについて、被害者に非難すべき事情があるような場合には、被害者の損害額を一定割合で減額されることがあります。

 

 

減額された事例

判例

① 会社の同僚3人で飲酒をして、一人が運転をして他の2人がその自動車に同乗したところ、単独事故を起こし、同乗した二人が亡くなった事案で、損害額の10パーセントの減額を認めています。この裁判例では、亡くなった二人も運転手が飲酒していることを知った上で、同乗していた点を踏まえて、損害額の減額をしています(名古屋地判平13.9.7)。


② 運転者が交差点を加速して左折しようとしたため転倒し、箱乗り(助手席の窓枠に身を乗り出して座ること)をしていた被害者が亡くなった事故について、損害額の20パーセントの減額を認めています(横浜池判平成22.10.29)。これは、箱乗りという通常認められていない乗車方法であり、しかも危険性の高い乗車方法であったため、減額が認められたと考えられます。

 

 

減額されなかった事例

判例

① 被害者が友人と徹夜で遊んだ後、夜中に、その友人が運転するバイクの後部座席に同乗していたところ、事故に遭い亡くなった事案では、被害者の損害は減額されませんでした(大阪地判平13.10.26)。


② 4人で運転を交代しながら深夜ドライブをしていた最中の事故について、損害の減額を認めませんでした(東京地判平2.7.12)。


③ 交際相手の運転でとドライブに出かけた際の事故について、被害者が無償で自発的に同乗していましたが、損害の減額は認めませんでした(東京地判平7.12.27)。

 

 

 

まとめ

事案によっては、相手方保険会社から、好意同乗なので○○パーセント分の損害を減額します、といった主張がなされることがあります。

しかし、上記したように、ただ単に、無償で同乗させてもらっていただけの場合には、損害が減額されることはありません。

もし、強硬に相手保険会社が好意同乗による減額を主張してくるのであれば、専門の弁護士にご相談された方が良いでしょう。

 

 

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