交通事故で弁護士に依頼する7つのメリット|依頼で後悔しないために

執筆者:弁護士 鈴木啓太 (弁護士法人デイライト法律事務所 パートナー弁護士)

弁護士に依頼するメリットとしては、主に以下の7つが考えられます。

  1. ① 連絡窓口を全て弁護士にできる
  2. ② 治療中に生じた不安や困りごとを相談することができる
  3. ③ 適切な休業損害を受け取ることができる
  4. ④ 治療の打ち切りの交渉をしてもらえる
  5. ⑤ 慰謝料を増額できる
  6. ⑥ 適切な過失割合で合意できる
  7. ⑦ 適切な後遺障害認定を受けることができる

以下では、それぞれのメリットについて解説していきます。

 

メリット

①連絡窓口を全て弁護士にできる

加害者が任意保険会社に加入している場合、事故後、保険会社から被害者に連絡があります。

その連絡以降、必要あるごとに保険会社から被害者に連絡が来るようになりますので、被害者はその対応をしなければなりません。

保険会社の電話が通じるのは、朝9時〜午後5時までの保険会社が多く、日中に仕事や育児・家事をされている場合、なかなか電話の対応をすることが難しい方もいらっしゃると思います。

弁護士に依頼した場合には、連絡窓口は全て弁護士となります。

保険会社から被害者への連絡は全てシャットダウンされ、相手方保険会社からの連絡は全て弁護士が対応することになります。

したがって、被害者は、都合のよい時に弁護士から報告を受ければよくなり、負担を軽減することができます。

逆に被害者から、何か保険会社に伝えてほしいこと、要求したいことがある場合にも、直接交渉する必要はなく、弁護士が代わりに保険会社と交渉することとなります。

このように、弁護士に依頼した場合には、保険会社とのやり取りによるストレスを軽減することができます。

 

②治療中に生じた不安や困りごとを相談することができる

交通事故の治療中には、様々な困り事や不安が生じます。

弁護士がよく質問される事柄としては、転院したい、休業損害を請求したい、後遺障害について聞きたい、過失割合に不安がある、賠償額はどれくらいになるか、いつ頃全て解決するかなど、様々な質問や相談を被害者からお受けします。

こうした質問や相談ごとが生じたときには、すぐに電話やメールで弁護士に相談することができます。

質問や相談を受けた弁護士は、被害者にアドバイスをするとともに、必要に応じて保険会社と交渉し、被害者の不安や困りごとを解消します。

 

③適切な休業損害を受け取ることができる

交通事故により仕事を休んだ場合、収入が途絶えてしまいますので、保険会社から休業損害を確実に受け取ることが重要です。

休業損害は、会社に休業損害証明書を作成してもらい、保険会社に提出して支払いを受けることになります。

保険会社は、休業損害証明書から休業損害の金額を計算することになりますが、その計算方法が妥当でない場合があります。

例えば、給料の1日単価を出す場合に、保険会社は過去3ヶ月分の給料の合計額を90日で除して計算することがほとんどです。

しかし、その90日には土日や祝日も含まれているため、実際の1日単価よりも少なくなります。

したがって、弁護士が保険会社に休業損害を請求する場合には、過去3ヶ月分の給料を稼働日数で除して計算します。

具体例 事故前3ヶ月の給料90万円、稼働日数60日、休業日数10日の場合

例えば、事故前3ヶ月の給料が90万円、稼働日数60日、休業日数10日の場合で考えると以下のようになります。

一般的な保険会社の計算方法

90万円 ÷ 90日 ✕ 10日 = 10万円

弁護士が請求する場合の計算方法

90万円 ÷ 60日 ✕ 10日 = 15万円

上記のように、金額が変わってくるため、休業損害を受領するにあたっては十分注意する必要があります。

また、主婦や自営業者の休業損害についても、保険会社は控えめな提示しかしないことが多いため、しっかりと交渉していく必要があります。

弁護士が交渉する場合には、できる限りの資料を集めて交渉するため、休業損害が増額することが期待できます。

 

④治療の打ち切りの交渉をしてもらえる

被害者にとって、最も大切なことは負傷した体を元通りに治すことです。

そのためには、適切な治療を行う必要があります。

しかし、保険会社は、事故から一定期間を経過すると治療の打ち切りの話をしてきます。

その時点で、十分な治療ができていればいいのですが、治療の継続が必要な場合には、治療を打ち切られないように交渉する必要があります。

弁護士は、治療打ち切りの打診があった場合には、被害者に治療の状況を確認し、また、主治医の見解も確認して治療を継続する必要性があることを主張します。

必要があれば、直接、主治医と医師面談を行い保険会社と交渉することもあります。

 

⑤慰謝料を増額できる

交通事故での慰謝料は、傷害慰謝料(入通院慰謝料)と後遺障害慰謝料、死亡慰謝料の3つの慰謝料があります。

これらの慰謝料の算定については、3つの基準があります。

自賠責保険の基準、任意保険会社の基準、裁判基準の3つです。

基準の高低は以下の順番です。

保険会社は、賠償の提示にあたって、ほとんどの場合、自賠責保険の基準あるいは、任意保険会社の基準で提示していきます。

しかし、弁護士が入っている場合には、裁判基準を前提として交渉するため慰謝料を増額することが期待できます。

 

⑥適切な過失割合で合意できる

相手方保険会社は、あくまで加害者側の保険会社なので、加害者側に有利な主張をしてきます。

過失割合の交渉にあたっても、加害者側の言い分を前提に割合を提示してくるため、妥当な過失割合でないことも多々あります。

しかし、過失割合の判断は、高度な専門知識を必要とするため、被害者としてはそれが妥当な過失割合なのかどうか判断できないことが多いと思います。

過失割合が争いになった場合、弁護士は、刑事記録やドライブレコーダーなどの資料を取り寄せ事故状況の確認を行い、その上で、妥当な過失割合を算定しますので、妥当な過失割合での合意することが期待できます。

 

⑦適切な後遺障害認定を受けることができる

後遺障害に認定された場合には、後遺障害慰謝料と逸失利益を請求することができるため、賠償額は増額されます。

したがって、適切な後遺障害の認定を受けることは極めて重要です。

後遺障害申請の方法としては、事前認定と被害者請求の2つがあります。

事前認定は、保険会社が後遺障害申請を行う方法です。

事前認定のメリットは被害者に負担が少なく簡便である点です。

しかし、申請手続きを相手保険会社が行うため、被害者にとって有利な証拠を積極的に付けて申請してくれるということはありません。

被害者請求は、被害者が後遺障害申請をする方法ですが、資料の収集など手間がかかります。

しかし、後遺障害認定にあたって、有利になると思われる資料を添付することもできますし、自賠責保険から後遺障害認定された場合には、自賠責保険からすぐに賠償金の一部を受け取ることができます。

弁護士が依頼を受けた場合には、被害者請求の方法により後遺障害申請を行うので、適切な後遺障害認定を受けることが期待できます。

 

 

デメリット

弁護士に依頼するデメリットとしては、費用倒れになる可能性があることです。

弁護士に依頼する場合には、弁護士費用がかかります。

したがって、その弁護士費用分よりも賠償金の増額しない場合には、弁護士に依頼することで被害者の手元に残るお金が減ってしまう可能性があります。

弁護士に依頼するにあたっては、賠償額の増額の見込みなど弁護士に事前に確認された方がいいでしょう。

 

 

弁護士費用特約の利用

弁護士費用特約とは、弁護士に依頼した場合の弁護士費用を賄うことができる保険特約です。

この特約を利用することができる場合には、費用倒れの心配もなくなります。

弁護士費用特約は、多くの場合、上限300万円までという内容になっていますが、弁護士費用が300万円を超えるケースは、賠償額が1000万円を超えるような場合であり、多くの事故では上限を超えることはありません。

骨折や脱臼などが無いむちうちの場合に、上限を超えるということはまずないでしょう。

弁護士費用特約は、契約している本人だけでなく、同居している家族なども使用することができるので、事故に遭った場合には家族の保険内容を確認することをお勧めします。

 

 

弁護士に依頼する流れ

弁護士に依頼する流れは、以下のとおりです。

 

 

依頼のタイミング

弁護士に依頼するタイミングは、事故に遭ってから示談するまでの間であれば、いつでも依頼することができます。

もっとも、過失割合の交渉は、事故後、間もなく行われることもありますし、治療中の対応が後遺障害の認定に影響することもありますので、依頼のタイミングとしては、できるだけ早い段階で依頼されたほうがいいでしょう。

依頼すべきかどうか判断つかない場合には、弁護士に相談して依頼すべきかどうか意見をもらうことをお勧めします。

 

 

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