よくある相談Q&A

死亡事故により支出した費用を加害者に請求できますか?


掲載日:2016年6月3日|最終更新日:2020年2月6日


弁護士積極損害として認められるものは、請求できます。

死亡事故が起きた場合、様々な支出を強いられると思います。

交通事故によって余儀なくされた支出のことを積極損害といいます。

死亡事故の場合、具体的には以下の支出が積極損害として認められています。

  1. ① 死亡までの医療関係費
  2. ② 葬儀関係費
  3. ③ 入院時の雑費 など

以下でそれぞれ解説します。

死亡までの医療関係費

治療費、入院費

入院のイメージイラスト治療費や入院費は、治療の必要性や相当性が認められなければ加害者に請求できないのが原則です。

もっとも、被害者が死亡するまでの間に支出した治療費や入院費は、必要性や相当性が肯定されることがほとんどですので、加害者に請求できます。

 

付添看護費

入院付添近親者が、被害者が死亡するまで病院に付き添い、看護したときの付添看護費も、加害者に請求することができます。

請求できる額は、概ね1日につき 6500円です。

東京地判 H25.3.7
19日間の入院後に死亡した被害者(17歳)につき、近親者の付添看護費として、19日間につき日額 6500円を認めた事例。

 

付添人交通費

被害者が死亡するような重篤な症状の場合、付添人交通費は比較的争いなく損害として認められます。

 

 

葬儀関係費

葬儀費用

最高裁判例(S43. 10.3)では、積極損害について以下のような判断がされています。

積極損害として認められた支出
  • 火葬、埋葬料
  • 読経、法名料
  • 布施、供物代
  • 花代
  • 通信費
  • 新聞広告費
  • 葬儀社への支払
  • 遺族の交通費
  • 49日までの法要費
積極損害として認められない支出
  • 遺族以外の弔問客の交通費
  • 引き出物代
  • 香典返し
  • 49日以降の法要費

葬儀のイラスト葬儀費用が認められる額は、裁判実務で 150万円程度です。

150万円を下回る場合は、実際に支出した金額が損害として認められます。

また、香典として受け取った分を葬儀費用から差し引く(損益相殺)ことはありません。

 

墓碑建設費、仏壇購入費用

葬儀費用とは別途に認められている例があります。

浦和地判 H9.8.12
葬儀費用のほか墓地、墓石購入費を認めた事例
横浜地判 H1.1.30
墓石代、墓地使用料、仏壇購入費を認めた事例

墓碑建設費や仏壇購入費用が損害として認められる範囲は、「死者の年齢、境遇、家族構成、社会的地位、職業等諸般の事情を斟酌して、社会の習俗上その霊をとむらうのに必要かつ相当と認められる費用の額」(最判 S44.2.28)です。

 

遺体搬送費

葬儀関連費とは別途に認められている例があります。

 

京都地判 H12.3.23、大阪地判 H15.9.24 など
遺体搬送費について、裁判例では葬儀関連費とは別途に損害として認められた事例

 

入院時の雑費

たとえば、以下のような費用などです。

  • 寝具
  • 衣類
  • 洗面具
  • 電話代
  • テレビ賃借料 など

 

 

その他の費用

遺族の海外からの帰国費用

遺族が海外から帰国する際にかかった費用を、積極損害として認めた例があります。

 

東京地判 H21.11.18
実母の死亡による、米国からの4人分の帰国費用が損害と認められた事例

 

弁護士費用

弁護士鈴木啓太画像訴訟になった場合、交通事故と相当因果関係にある損害として、弁護士費用の請求は損害として認められています(最判 S44.2.27)。

裁判例で積極損害として認められる弁護士費用は、被害者が負担する費用の全額ではなく、賠償額を算定し、さらに賠償額から過失相殺や損益相殺をしたあとの残額の1割程度です。

交通事故の損害賠償の請求は、専門的、技術的なことが多く、解決するのは時間、手間がかかります。

早期に解決するため、交通事故に詳しい弁護士に相談することをお勧めします。

積極損害について、こちらのページでさらに詳しく解説しています。是非ご覧ください。

 

 

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