交通事故で生活費に困っている!示談までのお金の補償はある?

執筆者:弁護士 鈴木啓太 (弁護士法人デイライト法律事務所 パートナー弁護士)


交通事故による保険金の本請求は損害額が確定し、示談が終了してからになります。

しかし、示談交渉の終了や損害額が支払われるまで時間がかかることがあります。

その間、怪我のため収入が減少したり、治療費などを負担したりしている被害者にとって、生活費に困ることがあります。

自賠責保険には仮払金や内払金制度の制度があり、損害賠償の一部を示談前に支払うことがあります。

 

自賠責の仮渡金制度

お金のイメージイラスト自賠責保険17条によって、被害者の当座の生活費、治療費などが、被害者の請求で支払われます。

交通事故後被害者が加害者より賠償を受けていないことが条件となります。

仮渡金として受け取れるのは、

死亡の場合

290万円

傷害の場合

ケガをした男性のイメージイラスト①40万円の支払いを受けられるのは
・脊髄の損傷
・上腕・前腕の骨折で合併症がある、
・大腿または下腿の骨折
・内臓の破裂で腹膜炎を併発
・2週間以上の入院が必要で医師による治療が30日以上必要な傷病
の場合です。

入院のイメージイラスト②20万円の支払いを受けられるのは
・脊柱の骨折
・上腕または前腕の骨折
・内臓の破裂
・入院が必要で医師の治療期間が30日以上必要な傷病
の場合です。

 

③5万円の支払いを受けられるのは
・11日以上の医師の治療を要する傷害
の場合です。

請求の方法、請求回数の制限

仮渡用の診断書と自賠請求書を保険会社へ提出すると1週間くらいで支払われます。

仮渡金の請求は1度のみです。

 

 

自賠責保険の内払制度

交通事故の保険実務上認められている制度です。

休業損害、治療費、入院雑費などの損害額が10万円を超えた場合、10万円ずつ保険金が支払われる制度です。

なお、傷害の場合で、40万円分の仮渡金を受けてとっていたときは、損害額の合計が50万円を超えないと内払金制度はつかえません。

内払制度は自賠責保険の傷害の支払限度120万円を超えなければ、何度でも請求できます。

請求は、被害者、加害者のどちらからでも請求できます。

 

 

仮払い、内払請求に必要な書類

自賠責保険金請求書・事故状況発生状況報告書

『自賠責保険の請求のご案内』に添付されています。

この冊子は最寄りの保険会社や代理店などで入手できます。

相手方の自賠責が自賠責共済のときは、最寄りのJA共済事務所、JA窓口で入手できます。

 

交通事故証明書、診断書、印鑑証明書

①交通事故証明書
交通事故証明書は、各都道府県の安全運転センター(免許センターに併設されています)窓口または郵送申請で発行されます(本人以外の申請の場合、委任状が必要)。

②診断書
主治医から『自賠責保険の請求のご案内』にある診断書に記載してもらいます。

役所のイメージ画像③請求者の印鑑証明書
市区町村役場で取得できます。

『自賠責保険の請求のご案内』に従って準備してください。

他にも裁判所による仮処分命令により損害賠償金の仮払いを求める方法などもあります。

 

裁判所による仮処分命令

加害者が被害者へ対して誠意ある対応をせず、被害者が生活苦に陥り満足な治療を受けることができなくなる恐れがあるとき、加害者に対して損害賠償金の一部を仮に支払うよう命じるようを裁判所に求めることができます。

仮払い仮処分の申立て

裁判所へ申立てをする際、以下の資料を添付します。

■事故の発生・態様を証明する資料
交通事故証明書
実況見分調書の写し等

■損害の発生を証明する資料
診断書
治療費の請求書、領収書
治療に関する医師の意見書
休業損害証明書
源泉徴収票
生活状況に関する報告書等

■仮払い仮処分の必要性を証明する資料
生活状況に関する報告書
治療継続の必要性に関する医師の意見書

ただし、仮処分の申立てはあくまで仮の処分とはいえ、裁判所の手続であるため、客観書類を証拠提出する必要があり、単に主張するだけでは足りません。

仮処分のあとに予定されている通常裁判のことも考えれば、申立てを行うかどうかは慎重に判断しなければなりません。

 

 

賠償金


 
賠償金の計算方法



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