交通事故による脛骨高原骨折は後遺障害に該当しますか?

執筆者:弁護士 鈴木啓太 (弁護士法人デイライト法律事務所 パートナー弁護士)

脛骨(けいこつ)とは、脛(すね)の骨です。

脛には弁慶の泣き所があります。脛骨高原部は、膝関節の中にあり脛骨の一番上の部分になります。

この怪我の特徴として、交通事故などで膝に大きな力がかかり骨折を受傷し、同時に半月板損傷や膝の十字靭帯損傷を併発することが多くあります。

膝関節の骨折ですから、膝関節の動きに障害が残れば後遺障害に認定される可能性があります。

 脛骨高原骨折とはどのような怪我ですか?

脛骨高原骨折は、大腿骨を支え、膝関節を形作る部分の骨折になります。

 

 

脛骨顆部骨折、脛骨プラトー骨折とは違う骨折ですか?

足のイラスト脛骨の上の部分は大腿骨を支えるため、平らになっています。

上部を「顆部」といい、平らの部分を「高原」といいます。

だから、脛骨顆部骨折(けいこつかぶこっせつ)、脛骨高原骨折は同じ怪我のことです。

脛骨プラトー骨折という診断名をつける医師がいます。「プラトー」とは、英語で「高原」こと。これも脛骨高原骨折と同じ怪我です。

 

脛骨高原骨折の発生原因を教えてください。

事故のイメージイラスト脛骨高原骨折は、道路を横断中に車が膝にぶつかったなど、膝の外側から大きな力がかかった交通事故のときに発生します。同時に、半月板損傷や膝の十字靭帯断裂を併発することが多くあります。

 

 

 

脛骨高原骨折の症状は、どのような症状ですか?

起立動作や膝を動かすことできなくなります。

また痛み、腫れ、皮下出血などが膝に現れます。

 

脛骨高原骨折と後遺症

脛骨高原骨折のけがをした場合、一定期間治療を行っても、膝関節の動きが元どおりにならないということが起こり得ます。

特に、プラトー骨折と診断されている場合、骨折が関節面にかかってしまっているので、膝関節の動きに影響を与える可能性が高いといえます。

また、骨折した部分の痛みが時間が経ってもなかなか癒えず、最終的に痛みが残ってしまうということもあります。

このように、脛骨高原骨折の後遺症として、①膝関節の可動域制限②膝関節周辺の痛みの2つの後遺症が残るリスクがあります。

 

 

脛骨高原骨折と後遺障害

脛骨高原骨折の後遺症について自賠責保険の後遺障害でどのように定められているかをみていきます。

①膝関節の可動域制限

まず、膝関節の可動域制限についてですが、自賠責保険の後遺障害では、以下の等級が設けられており、 可動域の制限の程度によって、後遺障害に該当するか、該当するとして何級に該当するかというのが変わってきます。

10級11号 1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの
骨折をしていない側の膝関節の可動域と比べて、2分の1以下にまで動きが制限されている場合
12級7号   1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの
骨折をしていない側の膝関節の可動域と比べて、4分の3以下にまで制限されている場合

可動域をどうやってチェックするかですが、後遺障害の等級を認定する自賠責保険損害調査事務所が、医師の作成する後遺障害診断書に記載された可動域をもとにチェックをすることになっています。

実際に被害者の方と会って測定するわけではありません。

骨折の程度がひどい場合に、手術を行い、その際に膝関節を人口の関節にしたケース

骨折の程度がひどい場合に、手術を行い、その際に膝関節を人口の関節にするというケースもあります。

この場合には、上記の等級よりさらに上の等級が認められる可能性があります。

8級7号 1下肢の3大関節中の1関節の機能の用を廃したもの
8級7号が認定されるためには、人工関節を挿入していることに加えて、可動域が2分の1以下に制限されていることが必要
10級10号 1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの
人工関節を挿入したけれども可動域は2分の1以下にまで至っていない場合に認定

つまり、交通事故で脛骨高原骨折のけがを負い、人工関節の手術を受けた場合には少なくとも10級10号の後遺障害が認定されるということになります。

 

②膝関節周辺の痛み

次に、脛骨高原骨折により膝関節周辺に痛みが残ったという場合、自賠責保険の後遺障害では以下に該当する可能性があります。

12級13号  局部に頑固な神経症状を残すもの
14級9号    局部に神経症状を残すもの

脛骨高原骨折の場合、関節面に骨折が及んでいると骨がくっついたとしても、でこぼこした形で症状固定となってしまう可能性があります。

このように、関節面に何らかの不整が確認できると12級13号が認定されることになります。

脛骨高原骨折では、12級13号が認定されるケースも一定程度あります。

 

 

まとめ

このように交通事故で脛骨高原骨折のけがをした場合には、どうしても後遺症が残ってしまう可能性があります。

後遺症が残った場合には、医師に後遺障害診断書を作成してもらうことが必要です。

特に膝関節の可動域の後遺症がある場合、可動域の制限の程度によって、後遺障害が認定されるかどうか、認定される等級も変わってきます。

したがって、適切な補償を受けるためには後遺障害の認定がとても大切になります。

 

 

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