よくある相談Q&A

無職の人が交通事故で死亡した場合の逸失利益の算定方法は?

執筆者
弁護士 鈴木啓太

弁護士法人デイライト法律事務所 パートナー弁護士

所属 / 福岡県弁護士会

保有資格 / 弁護士


以下の式で計算します。

 

基礎収入額 ×(1-生活費控除率)×就労可能年数に対応するライプニッツ係数
= 死亡による逸失利益

 

 

基礎収入額

手のひらの画像①失業者で死亡時に収入がなかったとしても、年齢、職歴、就労能力、就労意欲等から就労の蓋然性が高い場合には、逸失利益が認められる可能性があります。
この場合、原則として失業前の収入が基礎収入とされます(東京地判H1.3.23)。
②失業前の収入が平均賃金以下であっても、
・平均賃金が得られる蓋然性がある場合
・就労可能性が認められる場合
男女別の賃金センサスによって基礎収入が算定されることになります。

③株式からの配当や不動産から所得は労働対価ではないので基礎収入とはしません。

 

逸失利益が認められない場合

①病気等により長期間就労していなかった場合
②定年退職後全く求職していなかった場合
就労可能性が認められないため。

 

生活費控除率

被害者が不幸にも死亡してしまった場合、生活費は発生しなくなります。
逸失利益の算定にあたっては、生活費分を控除します。
生活控除率は、家族関係、性別、年齢に照らして下の割合となります。

(1)一家の支柱
①被扶養者が1名の場合 40%
②被扶養者が2名以上の場合 30%
(2)男子(独身・幼児等を含む) 50%
(3)女性(主婦・独身・幼児等を含む) 30%

 

 

就労可能年数

就労可能年数は原則67歳-死亡時年齢です。
67歳を超える方の場合は、簡易生命表の平均余命の2分の1が就労可能年数となります。

 

 

ライプニッツ係数

逸失利益は、事故に遭わなければ被害者が将来にわたって得られたはずの利益ですが、その金額をそのまま受け取ると、本来受け取ることができる時点までに発生する利息分も被害者が取得することになります。
ライプニッツ係数は、このような中間利息を控除して、一時金に変算するのに用いられる係数です。

 

 

無職者の逸失利益の計算例

 

(計算例)45歳男性(独身、就職活動中)の方の場合

年齢 45歳男性(独身、就職活動中)
基礎収入 失業前の年収350万円
賃金センサスの平均賃金479万6000円よりも低いが、
年齢、職歴、就労能力、就労意欲等から就労の蓋然性が高く
平均賃金が得られる蓋然性があるため、
平均賃金479万6000円を基礎収入とします。
生活費控除率 50%
就業可能年数 67歳-45歳=22年
ライプニッツ係数 13.163

以上より

479万6000円×(1-0.5)×13.163≒約3156万円

が、逸失利益になります。

このように、逸失利益の算定には複雑な問題が多く含まれていますから、専門家である弁護士に相談することをお勧めします。

 

 

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執筆者
弁護士 鈴木啓太

弁護士法人デイライト法律事務所 パートナー弁護士

所属 / 福岡県弁護士会

保有資格 / 弁護士

専門領域 / 個人分野:交通事故を中心とした人身障害事件 法人分野:労働問題  

実績紹介 / 交通事故の相談件数年間300件超え(2019年)を誇るデイライト法律事務所のパートナー弁護士。交通事故分野において、他士業や整骨院、一般市民向けのセミナー講師も務めた。



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